アフガニスタン内務省によると、首都カブールで23日、同国では少数派のイスラム教シーア派のハザラ人によるデモの会場で2人が相次いで自爆テロを起こし、参加者や警察官ら少なくとも80人が死亡し、230人以上が負傷した。
過激派組織「イスラム国」(IS)の支部を名乗るグループが「シーア派を狙った」と犯行声明を出した。ロイター通信によると、IS系の通信社とされる「アマク」もISによる犯行として報じた。
ISはシーア派を敵視している。アフガンでは東部の辺境地域にIS支部を名乗るグループが結集しているが、首都で大規模テロを起こした例は確認されていない。これまでテロを繰り返してきた反政府勢力タリバーンは今回の爆発への関与を否定し、非難する声明を出した。
ハザラ人は人口の1割程度を占める第3の民族で、ほとんどがシーア派に属する。政府が進める中央アジアからの送電線の建設計画で、ハザラ人が多く住むアフガン中部バーミヤン州が予定ルートから外されたことに抗議し、同日朝から数千人が首都南部の主要交差点を占拠していた。(イスラマバード=武石英史郎)