JR山手線で2015年に支柱が倒壊した事故で、国の運輸安全委員会は28日、支柱の強度が十分あるとJR東日本が誤認して工事をし、ワイヤが引っ張る力に耐えられなくなったとの調査結果を発表した。社員が事前に傾きに気づいたが、必要な対応をとらなかったとも指摘した。
事故は15年4月12日午前6時ごろ発生。神田―秋葉原間で支柱1基が倒れ、レールと接触した。近くの列車は非常ブレーキで止まり、けが人はいなかった。
調査報告書によると、この支柱では11年7月、別の支柱との間にワイヤを張る工事を完了。基礎構造が頑丈との誤った推測に基づき、ワイヤを本来よりも高い地上1・9メートルにつけたため、ワイヤの張力が強くかかった。15年3月に別の支柱とつなぐはりを撤去し、支える力が低下して倒壊につながった。