「津久井やまゆり園」の正門前に設けられた献花台に花を手向ける人=28日午前、相模原市緑区、小玉重隆撮影
相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」であった事件で大けがをした野口貴子さん(45)の両親が28日、朝日新聞の取材に応じた。
相模原の殺傷事件
神奈川県藤沢市に住む母親の輝子さん(76)は26日朝、救急隊員からの電話で事件を知った。「すぐに病院に向かってください」
園に入所していた貴子さんは、首の後ろを4カ所刺されて重傷を負っていた。深さ4センチの傷もあり、首にあてられたガーゼが真っ赤に染まっていた。「それを見た時はもう……」と輝子さん。一命は取り留めたが、現在も集中治療室に入っている。
貴子さんは園に10年以上入所している。重度の障害でコミュニケーションを取るのは困難だが、運動会などの行事には楽しんで参加していたという。水泳が好きで、江の島に泳ぎに連れて行ったこともある。
父親の宣之さん(76)は「こんなことになって。我々はいま、どん底です」と話した。
容疑者が「障害者なんていなくなればいい」と話していることについて、輝子さんは「とんでもない。許せない」と涙をにじませながら語った。(前田朱莉亜)