発見された恐竜の胴体の背骨部分の化石。点線部は欠損部分を推定したもの(大阪市立自然史博物館提供)
大阪市立自然史博物館は、香川県で初めて恐竜の化石が見つかったと10日発表した。化石はカンパニアン期(約8300万~7200万年前)の草食恐竜ハドロサウルス類の一部とみられる。
化石は高さ約8・4センチ、幅約9・1センチ。香川県丸亀市の無職金沢芳広さん(67)が1986年、同県さぬき市の「和泉層群」という地層で見つけた。「大きい動物の骨だったので、ひょっとすると恐竜かもしれないと思った」。専門家に分析を依頼したが特定できず、約30年自宅で保管されていた。
2013年から、同博物館が国立科学博物館などの協力を得て、この化石について過去に発見された恐竜の化石と形を比べたり、エックス線で断面を撮影したりした結果、ハドロサウルス類の胴体の背骨の一部の可能性が高いと判断した。
和泉層群では兵庫県洲本市(淡路島)でも04年に同じハドロサウルス類の化石が見つかっている。和泉層群が分布する大阪府でも今後化石が見つかる可能性があるとみている。
見つかった化石は11日から10月16日まで、自然史博物館の特別展で展示される。(後藤一也)