男子81キロ級3位決定戦、チリキシビリを攻める永瀬貴規(上)=諫山卓弥撮影
(9日、柔道男子81キロ級)
「金の最有力」永瀬に硬さ 敗者復活はリズム取り戻し銅
リオオリンピック
柔道の日程・記録
身長181センチの永瀬は、両手を広げたリーチが189センチある。この長い手がセンサーのような役割を果たし、永瀬の戦いを支えてきた。「ひじを伸ばしすぎず、曲げすぎず。ここまで距離を詰められてたら、投げられるという間合いを見つけていくんです」
だが、準々決勝ではその機能が無効化させられた。左組みのトマ(アラブ首長国連邦)は極端に体を開き、左半身を密着させてきた。そこから馬力を生かした引き込みを繰り返され、距離があってこそ生きる永瀬の足技は封じられた。「100%出し切れなかった。実力が不足していた」
昨年の世界選手権で初優勝。日本男子の不毛地帯だった81キロ級に現れた希望の星だった。井上監督は「相手の力がすべて吸収されるような強さを持っている。あんな間合いの取り方は私にはできない」。柔道関係者の間でも、「投げられる様子が思い浮かばない」と金メダル候補の1番手に挙げられていた。
母校・長崎日大高の松本太一監…