女子58キロ級で金メダルを獲得した伊調馨=17日、カリオカアリーナ、長島一浩撮影
(17日、レスリング女子58キロ級決勝)
伊調馨、五輪初の女子個人4連覇 レスリング58キロ級
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伊調馨(32)は追い込まれた。1点を追いかける残り30秒。コブロワゾロボワ(ロシア)の左太ももにタックルに入ろうとした。だが、空振りに終わり、慌てて立ち上がったところで、逆に相手が右足に飛び込んできた。
とっさに体が反応した。「ラストチャンス。絶対にとろうと思った」。覆いかぶさり、背後へ回ろうと試みた。相手も右手一本で伊調の右太ももをつかみ、回らせないように必死でこらえた。
膠着(こうちゃく)したまま、時計の針は刻一刻と、6分間の試合終了に近づいていった。4連覇の夢は、ついえたか。観客がざわめきかけた瞬間、伊調は相手の背中をとった。審判員が指で「2点」と示す。