被災後、家に帰宅するまでを疑似体験する「いえまですごろく」と開発した本多由季さん=名古屋市
特に若い人たちに、防災を身近に感じてもらいたい――。20~30代の女性を中心に結成された団体「防災ガール」が、デザイン会社などと協力して災害への備えを呼びかけている。キーワードは「オシャレで楽しい」だ。
サーファーや海水浴客でにぎわう夏の海岸。沿岸の建物にいくつもの大きなオレンジ色の旗が見える。「津波が来る!」。海の中にいた人が旗を目印に、一斉に建物に逃げ込んだ。
これは、「#beORANGE」と名付けたプロジェクト。海では地震に気付きにくいため、沿岸の津波避難ビルなどに旗を掲げ、避難を促す仕組みだ。今夏、サーフィンが盛んな愛知県田原市や、静岡県下田市、高知市の3カ所でスタートさせた。いずれも、南海トラフ巨大地震などが起きた際、津波被害の発生が予想されている。
東日本大震災を機に立ち上がった一般社団法人「防災ガール」は20~30代の女性を中心に約100人が参加する。普段はインターネットでやりとりし、活動時に各地から集まる。代表の田中美咲さん(28)=横浜市=は震災後に退職し、福島県での復興支援に飛び込んだ。活動しながら、地震や津波は繰り返し起きるのに、被災者は減っていないと感じた。
「悲しみを根本から減らしたい」と田中さん。そのために、「防災をオシャレでわかりやすくしよう」と考えた。ハザードマップをもとに歩いたり、車中泊を体験したりした。空き缶を使った炊飯にも挑戦。被災時に使える化粧品も紹介するなど、既存の防災情報をかみ砕いてわかりやすくインターネットで発信した。
また、ポケモンGOのような位…