大阪府は8日、自治体の貯金にあたる「財政調整基金」の昨年度と今年度の取り崩し額が計370億円改善される見込みになったと発表した。今年2月の試算では、2017年度予算編成は基金の取り崩しだけでは財源が足りない事態が想定されていたが、基金で賄える見通しとなった。
府の財政は毎年、収入を支出が上回る収支不足が予想されており、府財政課が随時、不足額を試算し、予算編成に反映させている。
同課によると、2月の試算では社会保障費の増加などにより、昨年度の最終的な予算と今年度当初予算で合わせて1088億円の取り崩しが必要とみていた。しかし今回、税収増や長期金利の低下などで昨年度と今年度の取り崩し額が計370億円改善すると試算。基金残高は今年度末で914億円になる見通しで、17年度の収支不足の見込み額560億円を上回った。
ただし、24年度まで最大500億円の収支不足が毎年続く見込みで、厳しい財政運営は変わらない。(上田真由美)