株式会社立ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)をめぐる就学支援金詐欺事件で、逮捕された運営会社元監査役の馬場正彦容疑者(56)らが、生徒のリポートなどを代筆する手数料として、1人あたり2万~3万円を徴収していたことが関係者への取材でわかった。東京地検特捜部は16日、同校を捜索し、実態解明を進めている。
馬場容疑者は、同校の入学窓口となるサポート校「四谷LETSキャンパス」(東京都千代田区)の実質経営者。関係者によると、同キャンパスでは「代理店」と呼ばれる馬場容疑者の知人ら約20人が協力して、生徒を勧誘していた。
入学した生徒の多くは奨学金を借りることを勧められ、得た奨学金から年間約40万円を「学習支援料」などとして同キャンパスに納めていた。うち一部は「代理店」に渡り、年間約30万円が基本だったという。
「代理店」は、生徒の入学後は単位認定のためのリポートやテストも、必要に応じて無料で請け負っていたという。だが、2014年ごろから就学実態のない生徒が増え、「代理店」では管理しきれなくなった。このため馬場容疑者らに頼んで代筆してもらい、「代理店」から生徒1人あたり2万~3万円を同キャンパスが徴収していたという。キャンパスの関係者は「テストを代筆してはいけないという感覚がまひしていた」と話した。