外国人観光客に英語で道案内をする京都府警の警察官(右)=京都市東山区
京都府警は10月から、有数の観光地・祇園にある交番で、英語を話せる警察官が常駐する「外国語対応モデル交番」の運用を全国に先駆けて始める。京都を訪れる外国人観光客は増加傾向が続いており、2020年の東京五輪・パラリンピックもにらんで「おもてなし力」の向上を図る。
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警察庁は1月、全国の都道府県警に急増する訪日外国人からの相談対応を強化するよう指示。4月に警視庁と京都、大阪、神奈川、愛知の4府県警に対し、外国語対応モデル交番を設けるよう通達を出した。
祇園交番では5~7月、外国人に道案内をした件数が約1900件に達した。同交番は通常3人が勤務しているが、うち1人について10月からは英語を話せる警察官を24時間態勢で配置。約30カ国語に対応する翻訳アプリを入れたタブレット端末や、スマートフォンなどで読み取ると主要な観光地までの道順が英語で表示されるQRコードも用意する。
京都市によると、15年に市内で宿泊した外国人は約316万人にのぼり、前年より約133万人増えた。警察官が外国人に対応する機会も増えており、同交番を管轄する東山署の三上喜範署長は「10月は紅葉シーズンに中国の国慶節も重なり、アジア系を中心に多くの外国人が京都を訪れる。東京五輪を見据え、外国人にもやさしい警察を目指したい」と話す。(米田優人)