原爆の被害を伝える「長崎原爆遺跡」が3日、国の史跡に指定された。長崎市松山町の爆心地と、被爆による火災の痕跡や亀裂が残る旧城山国民学校校舎、崖下の小川に滑落した浦上天主堂旧鐘楼、爆風によって傾いた旧長崎医科大学門柱、一本柱になった山王神社二の鳥居で構成される。史跡に指定するよう、国の文化審議会が6月に文部科学相に答申していた。
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答申は「原爆投下の歴史的事実、核兵器の被害や戦争の悲惨さを如実に伝える」としていた。指定により、修理にかかる経費に国からの補助を受けることができるようになる。
長崎市の田上富久市長は「戦争の記憶が失われつつある中、物言わぬ語り部として長崎原爆遺跡の役割はさらに重要になってきている」「長崎原爆遺跡をいかした継承につとめたい」とのコメントを出した。