富山市議会(定数40)の政務活動費不正問題で、自民会派の浦田邦昭氏(70)が3日、政活費の支出が同市議会の指針で認められない名刺代計約4万円を市政報告資料などの印刷代として不正取得したとして辞職願を出した。近く許可される。政活費不正で同市議会を辞職するのは12人目で、11月6日投開票の市議補選の対象となる欠員は、問題発覚前の1人と合わせて13人になる。
会見した浦田氏によると、2013年4月に市政報告資料を200部印刷したとして政活費約3万円を取得。15年1月には、市政報告の案内状500枚の印刷代として約1万円を取得したが、実際はいずれも名刺代だった。浦田氏は「名刺代が認められないのは知っていたが、領収書を会派の事務員に渡して、名目を印刷代とするように頼んだ」と話した。
領収書を出したのは市内のはんこ店で、担当者は「うちでは資料の印刷は請け負っていない。浦田さんにはいつも名刺をお願いされていたので驚いている」と話した。
浦田氏をめぐっては、13年6月に市内のホテルで市政報告会と懇親会を開き、約100人が参加した懇親会でオードブルや酒類を提供。これら懇親会の経費約22万円を政活費で賄うため、市政報告会に315人が参加したと偽り、会場費、茶菓子代として計約22万円を取得していた。
浦田氏は、いずれも返還する意向を示した。(吉田真梨)