国際ボート連盟のロラン会長(左)と握手する小池百合子都知事=3日午後、都庁、恵原弘太郎撮影
2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場をめぐり、小池百合子都知事と国際ボート連盟のジャンクリストフ・ロラン会長が3日、会談して意見交換した。都の調査チームは、ボート会場となる「海の森水上競技場」の建設中止を含む大幅見直しを提言しており、ロラン氏は「落胆している」と述べた。
ボート会場(カヌーも同会場)は、都が491億円かけて東京湾岸に新規建設する予定で、計画はすでに国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得ている。しかし、五輪開催計画の見直しを進める小池氏が設けた調査チームが先月29日、建設を中止し、宮城県など都外での開催や仮設会場への変更を検討するよう提言した。
ロラン氏の来日は、「見直し提言」前に決まっていたもの。ロラン氏は3日午前に「海の森」の建設予定地を視察し、「最高の大会が開かれるイメージがわいた」と絶賛した。その後、都庁に小池氏を訪ね、「(見直しの提言を)報道で知り、非常に驚いた。事前に相談されず、落胆を隠せない」と述べた。ロラン氏は他の候補地も含めて検討し、「海の森」に結論づけた経緯も伝えた。
一方、小池氏は、経費削減などの観点から、計画見直しを検討していることを説明。「宮城県の知事も(開催に前向きな)意思を示している。もともと復興オリンピックを標榜(ひょうぼう)していた」と述べ、東日本大震災の被災県で開催を検討する意義に理解を求めた。