愛知県が中部空港島に造る大規模展示場の内部のイメージ=県提供
愛知県が2019年、中部空港島(常滑市)に開く大規模展示場の利用申し込みが、1カ月余で7件にとどまることが分かった。このまま人気薄が続くと、いったん後退した名古屋市独自の展示場構想が再び浮上する可能性もある。
展示場は、屋内展示面積計6万平方メートルで、350億円で造る。大村秀章知事は6月、東京や名古屋で自ら「徹底的に整備コストを削減し、東京や大阪に比べて低料金を実現したい」と宣伝するなど、強い意気込みを見せてきた。
20年には東京五輪で東京ビッグサイト(東京都江東区)など首都圏の大規模展示場が一時使えなくなるため、県は代替需要があるとそろばんをはじく。大村氏は8月、「現段階で約20件の展示会主催者などに検討を頂いている」と楽観的な見通しを示した。
ところが、県が9月1日に始めた事前申し込みの応募では、今月4日時点で7件。県の担当者は「料金や施設の仕様がまだ決まっていない」と説明するが、華々しい宣伝ぶりからすると肩すかしの感は否めない。
県外のイベント企画会社は「交通アクセスがあまりよくない」と指摘する。展示場が造られる空港島へは名鉄名古屋駅から特急電車で約30分かかり、立地が弱点になっている可能性がある。県は今後、展示会主催者への営業活動をさらに強め、需要を掘り起こす方針だ。
名古屋市は2月、県に対抗して…