福岡市と周辺のタクシー運賃(小型車)が、来春から値上がりする方向になった。九州運輸局が6日、値上げ申請したタクシー事業者の保有台数が全体の7割を超え、審査を始めると発表した。運転手の人手不足で人件費が上がり、車両の更新費用もかさんでいるためという。
対象地域は福岡市と近郊の計15市町。現在、この地域で国が定める初乗り料金の上限は、小型車が1・6キロまで670円、中型車が750円。申請では小型車と中型車を統合して「普通車」とし、上限を690~720円にすることを求めている。大半を占める小型車で値上げになる水準だ。
地域内の105社のうち99社が申請し、保有台数で9割を超えた。九州運輸局は今後、値上げ幅などを検討する。値上げとなれば、消費増税時をのぞくと2007年11月以来となる。
一方、現在は大半の事業者が、初乗り運賃を安く見せるため「短縮運賃」を採用している。小型車は1194メートルまで570円で、203メートルごとに50円を加算する。2回メーターが上がれば法定の初乗り料金になる計算だ。
今回の値上げ申請では各社が50円の加算距離の変更も求めている。161メートルから205メートルまで社によって差がある。事業者は値上げが認められれば、初乗り距離をさらに短くできるよう申請することも検討する。(角田要)