都議会で答弁する都中央卸売市場の岸本良一市場長=6日、新宿区
東京都の豊洲市場(江東区)の主な建物下に土壌汚染対策の盛り土がなかった問題で、小池百合子都知事は、担当部局長の岸本良一・中央卸売市場長(56)を事実上更迭する人事異動の方針を固めた。13日の都議会定例会の閉会にあわせて、近く公表する。
築地市場の豊洲移転問題
岸本氏は、2014年7月から現職。先月30日に公表された都職員による調査では、盛り土がなく地下に空間が設けられていた問題について「(問題発覚前に)現地視察したが、盛り土の上に建物が建てられていると認識していた」と証言。今月6日の都議会では、「認識不足で、責任を痛感している」と答弁していた。
小池知事は都議会の答弁などで、中央卸売市場の体制を刷新する方針を明言。7日の定例記者会見では体制見直しについて「拡大という量的な部分と、専門性も含む質の面で強化をしたい」と述べていた。一連の問題検証など事務作業の増加に加えて、市場業者との信頼回復が不可欠なため、人事の見直しに踏み切るものとみられる。