19日、休業したロンドン南部のケンタッキーフライドチキンの店舗=AFP時事
ファストフード大手のケンタッキーフライドチキン(KFC)の英国内900店舗の3割が、材料の配達をめぐるトラブルで休業に追い込まれている。警察に通報したり地元の国会議員に相談したりする人まで現れ、混乱が広がっている。
英メディアによると、KFCが14日から配送業務の委託先を変更したところ、材料のチキンが倉庫から店舗に届かなかったり、配達が遅れたりするケースが続出した。英メディアは、配送業者のコンピューターシステムが故障したなどと報じている。
一時は600店以上が休業する事態に。21日午後時点では7割の店舗が営業しているが、ネット上にはフライドチキンを買えずに落胆したり、開いている店舗を探し回ったりする人の投稿が相次いでいる。一部は警察に通報するなど過剰な行動に走る人も。ロンドン東部を管轄する警察署は「あなたのお気に入りの飲食店が求めるメニューを提供しないとしても、それは警察が管轄する問題ではない」とツイート。ロンドン南部選出のコイル議員も「落胆したKFCの顧客から連絡が来た」とつぶやいた。
鶏肉は様々な文化的、宗教的背景を持つ人々に受け入れられる食材のため、特に移民の多い地域ではKFCの人気は高く、影響も大きいようだ。(ロンドン=下司佳代子)