三井住友銀行のオンラインシステムを悪用して同行から約1億9千万円をだまし取ったとして、警視庁は12日、同行の元副支店長、南橋浩容疑者(54)=東京都新宿区下落合2丁目=を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認め、「女性との交際費や、子どもの教育費にあてた」と説明しているという。
捜査2課は、南橋容疑者が2007年以降、同様の手口で計11億円を詐取したとみて調べている。
逮捕容疑は、大森支店(東京都大田区)の副支店長だった昨年11月ごろ~今年6月ごろ、17回にわたり、外貨預金取引のオンラインシステムを不正に操作し、取引額を水増しするなどして同行から約1億9千万円(約166万ドル)を詐取したというもの。
南橋容疑者は、架空会社名義の普通預金口座と外貨預金口座を開設。この二つの口座を使って第三者が外貨取引をしているように装っていたという。
同行によると、南橋容疑者による不正は、国税庁の調査で6月中旬に発覚した。同行の内部調査の結果、不正にあたる額は約11億円にのぼることが判明。7月6日に懲戒解雇処分とし、9月29日に警視庁に刑事告訴した。同行の調査には、「遊興費のために借り入れがかさんだ」と話しているという。同行は「本件事態を厳粛に受け止め、深く反省し、お客さまならびに関係者に心からお詫(わ)び申し上げます」とのコメントを出した。