東京電力福島第一原発事故で福島県内の5店舗が閉店に追い込まれたとして、ドラッグストアチェーンのツルハ(札幌市)が東電に約7億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審は21日、札幌高裁(佐藤道明裁判長)で和解が成立した。ツルハ側の代理人弁護士によると、東電は原発事故で損害が出たことを認め、ツルハに2億8千万円の和解金を支払うという。
ツルハは事故後10年間の逸失利益など約12億5千万円の損害賠償を求めて提訴。一審・札幌地裁判決は事故後3年間の損害を認定、約2億円を支払うよう東電に命じた。
控訴審で、ツルハは損害賠償の請求額を事故後4年間の約7億円に減額し、東電は一審判決の取り消しを求めていた。7月の第1回口頭弁論で、札幌高裁が原告と被告双方に和解を勧告し、和解協議が続いていた。