山梨県富士河口湖町で昨年9月、80代の夫婦が自宅で刺殺された事件で、殺人罪に問われた孫の少年(19)の裁判員裁判が24日、甲府地裁(丸山哲巳裁判長)で始まり、少年は起訴内容を認めた。
起訴状によると、少年は昨年9月27日午前2時20分ごろ、同町の祖父母宅で祖母(当時81)の首や肩、祖父(当時83)の胸を包丁で刺すなどして殺害したとされる。検察側の冒頭陳述によると、少年は祖父母の遺産を自らが希望する進路の資金にしようとして、殺害を決意。包丁2本を事前に準備して祖父母宅を訪れて就寝中の2人を襲い、犯行後は包丁を洗うなどして証拠隠滅を図ったという。
一方、弁護側は「少年は成育環境などの影響で、自分の行動を思いとどまる能力が減少していた」と主張。「少年を許している遺族もいる。少年は家庭や学校で居場所がなく苦しんでいた」と訴えた。
判決は11月1日に言い渡される予定。