溶岩の上にとまるカツオドリ=20日、東京都小笠原村の西之島、環境省提供
環境省は25日、火山活動が落ち着いた東京・小笠原諸島の西之島で行った噴火後初の上陸調査の結果を公表した。噴火前に見られた植物や鳥、昆虫などの姿が確認できた。
西之島に研究者ら初上陸 火山島の成長過程や生態系調査
西之島は2013年から15年までの間に噴火を繰り返した。20、21の両日に東京大の研究者らが、噴火前からもともとあった旧島が残る、島の西側を中心に生物や溶岩などを調べ、地震計も設置した。
旧島部分では、もともと島に生息していたアオツラカツオドリが営巣、子育てをする様子がみられた。アトリやカツオドリも確認した。ハサミムシなどの昆虫やダニもいた。また、旧島に生えていたオヒシバ、スベリヒユなどの植物も確認した。溶岩の成分が安山岩であることもわかった。
調査に同行した環境省の担当者は「生物相は貧弱な状況で、なるべく人の影響を排して、見守っていくことが重要だ」としている。(小坪遊)