埼玉県朝霞市で少女(15)を誘拐し、2年余り監禁したなどとして、未成年者誘拐や監禁致傷などの罪に問われた大学生の寺内樺風(かぶ)被告(24)=東京都中野区東中野=の被告人質問が2日、さいたま地裁(松原里美裁判長)であった。主なやり取りは次の通り。
「娘の2年間むちゃくちゃに」 監禁被害少女の母が訴え
【弁護側の質問】
――中3後半から自分が不要な人間だと思っていたのはなぜ?
「いじめや、クラスで排斥されていると感じた。それで不要な人間だと思うようになった」
――いじめを受けて、いじめた人間が罰せられることがなかったと。そこから変化が生じた?
「(いじめの中心だった)3人のうち2人は別の高校にいった。何もとがめられずに出て行った。表面化しなければ何をしてもいいのかと思うようになった」
――動機の「社会的に隔離された人を見てみたい」と思ったのはいつごろ?
「記憶に残るのは、バンクーバーの図書館で本を見かけたからだったでしょうか。洗脳にインスパイアされた。大学2年の後半から、人を観察してみたいという気持ちになったと思います」
――なぜ、人を誘拐して観察する考えがあるのか。
「中学、高校は競争社会。競争のない、何もしなくていい状況に人を置けば、人助けになるんじゃないかと思いました」