道路に倒れ込んだ高槻市立寿栄小学校のブロック塀=2018年6月18日午前11時17分、大阪府高槻市、石前浩之撮影
大阪府北部を震源とする地震で、大阪府高槻市栄町3丁目の市立寿栄小学校では、同小4年の三宅璃奈さん(9)=高槻市川添1丁目=が亡くなった。午前9時4分に死亡が確認された。府警によると、小学校のプールサイドの塀が倒れて下敷きになったという。
大阪北部地震で9歳女児ら3人死亡 けが人情報も相次ぐ
高槻市によると、倒れたのはプールサイドの塀(高さ3・5メートル)のブロック塀の部分(高さ1・6メートル)で、延長約40メートルにわたって倒壊した。
近くに住む女性(64)は、三宅さんの救助に行った人から「子どもが塀の下敷きになった」と事故の知らせを聞いた。「ちょうど通学時間で、子どもが列をつくって通っているようなところ。こんなことが起きるとは」と話した。
近所に住む男性(78)は、地震の約10分後、三宅さんがブロック塀の下敷きになっているのを見た。「ランドセルが塀から出ているのが見えた。かわいそうで仕方がない」と話した。
大阪府は午前9時半から府災害対策本部会議を開いた。この直前、情報収集を進める府危機管理室の一室では、「人的被害がでた! 9歳女の子!」と叫び声があがり、緊迫した表情で職員らの出入りが続いた。
地震直後、高槻市内では各地でサイレンが鳴り響いた。JR高槻駅では数千人の通勤・通学客が携帯電話を手に、連絡を取ろうとしていた。改札口近くの天井からは大量の水が漏れ落ち、水浸しとなった。駅近くでは登校中の児童が泣き叫び、路上にうずくまる子もいた。
高槻市の会社員山中章雄さん(47)はバスで駅に着く直前に地震に遭った。改札前で「こんなに揺れた地震は経験がない。きょうは大切な仕事で早く出勤したいが、見通しが立たない」と額に汗を浮かべた。
府警や大阪市によると、大阪市東淀川区上新庄2丁目でも民家の外壁が崩れ、近くに住む無職の安井實さん(80)が下敷きになった。安井さんは搬送先の病院で死亡が確認された。府警によると、路上にブロック塀(高さ約2メートル、長さ約10メートル)が倒れ、2人が下敷きになったという。ほかに男性1人が頭などを打って病院に搬送された。軽傷の見込みという。
住民によると、安井さんと負傷した男性は近くの小学校の見守り隊をしていた。この日も2人1組で小学校に向かう途中だった。けがをした男性が、安井さんに「大丈夫か!」と声をかけたが、意識がなかったという。
大阪市では午前8時前に災害対策本部が立ち上がった。地震後、自宅から30分以内に出勤が可能な職員ら約40人が先に集まり、慌ただしく被害情報の収集にあたった。危機管理室では新たな被害情報が入ると、職員が情報が書かれたメモを大声で読み上げ、別の職員が内容をホワイトボードに書き加えていった。