略奪があったWFPの敷地内。食料の保管用に使われていた大型テントは根こそぎ持ち去られていた=1日、ジュバ近郊、チャン・ダウ撮影
南スーダンの首都ジュバで7月に政府軍と反政府勢力の大規模な戦闘があった際、国連施設も略奪の被害を受けた。朝日新聞記者が現場を訪ねると、略奪は続いていた。
国連世界食糧計画(WFP)によると、ジュバ近郊にある食料保管施設が7月の戦闘時に何者かに襲撃され、22万人の1カ月分にあたる約4600トンの食料や車、大型発電機などが略奪された。記者は1日、WFPの担当者らと現場を訪れた。
食料保管施設は大規模な戦闘が行われた地域にあった。周囲の民家は爆風で吹き飛び、道の真ん中に、破壊された政府軍のものとみられる装甲車両が放置されていた。
施設の入り口は、政府軍とみられる複数の兵士が警備していた。中に入ると、数百メートル四方の敷地内に数十台の国連の四輪駆動車やトラックがあった。すべてが破壊され、残骸となって散らばっていた。エンジンやバッテリーなどはなくなっていた。
「写真を撮るな!」。記者がカメラを出そうとすると、WFPの担当者が険しい表情で止めた。40メートルほど離れた一角で、Tシャツ姿の数十人の男たちがバーナーなどで車両を解体し、鉄板や部品を運びだそうとしていた。周囲では自動小銃を持った十数人の政府軍兵士とみられる男たちが警戒している。
兵士らしき男たちがこちらに近…