事故後、回収される熱気球。後方でかごがトラックに積まれている=市川三郷町岩間
6日午前11時過ぎ、山梨県市川三郷町岩間の六郷中学校グラウンドで、秋祭りのイベントで体験搭乗をしていた熱気球が強風にあおられ、かごにつながったロープをつかんだ会場スタッフの自営業大森昭人さん(59)=同所=が2~3メートルの高さにはね上げられ転倒した。大森さんは鎖骨が折れる重傷を負った。
鰍沢署によると、現場周辺では「はんこ日本一六郷の里秋まつり」が開かれ、来場者を地上約17メートルの高さまで上昇する熱気球に乗せていた。事故当時は子ども4人とパイロット1人を含む計7人が乗り、下降しながらスタッフ3人が熱気球のかごを地面に固定する作業をしていた。しかし、強風で熱気球が横に動いたため、搭乗者の受け付けや誘導をしていた大森さんがかごと地上を結ぶロープをつかんだところ、ロープが張り、その勢いで飛ばされたらしい。搭乗者にけがはなかった。
固定作業をしていたスタッフの話では、気球は直径約15メートル。パイロットは5年以上の経験があり、地上に設置した吹き流しと気球の形状を見ながら風向きや風速を判断していたという。
事故当時、近くにいた男性(55)は「強い風が吹いてきてバサッと音がした方向を見ると、気球がペタッと倒れ、向こう側に男性が倒れていた」と話していた。