ダイハツ工業の新型車「トール」
ダイハツ工業は9日、排気量1リットルの5人乗り小型車「トール」を発売した。宿敵のスズキの人気車「ソリオ」の対抗車で、車の長さやスライド式の後部ドアなどの仕様はソリオとほぼ同じ。ダイハツの親会社・トヨタ自動車も「ルーミー」などの車名で売るが、トヨタとスズキは提携交渉を進めており、関係は複雑だ。
「軽自動車で培ったノウハウを余すことなくつぎ込んだ」。ダイハツの三井正則社長は9日の発表会で自信を示した。企画段階から同社が一手に担い、トヨタに供給するのは4月発売の小型車「パッソ」(ダイハツ名ブーン)に続き、2車種目。ただ、燃費性能は1リットルあたり24・6キロと先行するソリオの27・8キロに劣る。三井社長は「お互いの強みで弱みを補完する」と語り、トヨタの力を借りてハイブリッド仕様の投入も検討することを明らかにした。
ダイハツとスズキは長年の宿敵だ。スズキが33年守った軽の首位を2006年度に奪い、10年間維持。トヨタグループで軽を担う会社として存在感を示してきた。8月にトヨタがダイハツを完全子会社にしたのも、新興国での小型車づくりのためだった。だが、トヨタが10月に新興国の小型車開発や部品調達をダイハツに任せると発表した8日後、スズキとの提携交渉入りを表明した。
スズキの鈴木俊宏社長は4日の…