埼玉県鶴ケ島市の浄水場設備工事をめぐる贈収賄事件で、警視庁に収賄容疑で逮捕された「坂戸、鶴ケ島水道企業団」主査の鴨志田穂積容疑者(60)が、贈賄側の業者と相談しながら、工事の内容などを記した仕様書を作成していたことが、捜査関係者への取材でわかった。
浄水場工事巡り贈収賄容疑 警視庁、事務組合職員ら逮捕
捜査関係者によると、鴨志田容疑者は、昨年6月に入札のあった鶴ケ島浄水場の設備工事2件について、工事の具体的な内容や日程などを示す仕様書を作る際、協和水環境システムズ(東京都足立区)の元社長、秋山信芳容疑者(48)=贈賄容疑で逮捕=に事前に相談。同社が以前、同浄水場に導入した管理プログラムに沿って業務を進めるような内容にしていた。
鴨志田容疑者が、同社が工事に加われるよう取りはからったと、捜査2課はみている。同社は2件の工事のうち1件は元請け、1件は下請けで参入した。
企業団によると、仕様書は通常、課長など上司の決裁を経て業者に提示するが、鴨志田容疑者は11年以上にわたって浄水場関連の業務を担当。上司よりも専門知識が豊富だと評価されていた。捜査2課は、鴨志田容疑者が実質的に仕様書の内容を決められる立場にあったとみている。