千原ジュニアさん=篠塚ようこ撮影
数多くの番組にレギュラー出演するなど、テレビに欠かせない「顔」の一人、千原ジュニアさん。NHKの「着信御礼!ケータイ大喜利」(第1~第3土曜深夜)に12年も出演し、視聴者から投稿される「ひねった回答」を最終的に選び出す役割を続けている。この番組に限らず、SNSなどで誰もが笑いを発信できる今を、プロはどう考えているのか。聞いてみた。
――12年出演する「着信御礼!ケータイ大喜利」は長寿番組とも言えますね。
そうですね。僕がやっているレギュラー番組のなかでは一番長いんじゃないですかね。
――視聴者がお題にあわせて回答を携帯電話から投稿するスタイルの番組。一般の方の面白みについてはどう思いますか。
もう12年もやっていると、めきめきレベルが上がっていく感じが分かりますね。
――今は、ツイッターなどのSNSで一般の方が面白いことを発信できる時代。一方で、ジュニアさんが出演している「人志松本のすべらない話」(フジ系)などは、しゃべりで勝負するプロならではのだいご味を味わえます。プロとして一般の方とは違うんだという思いはありますか。
それはどうですかねえ。というより、いい意味で、一般の方はすべれますから。だから、フルスイングできるというかね。すべったところで、けがしませんから、意外にプロより飛距離があったりします。変に守りに入ってボールを置きにいったらアカンなと刺激になりますね。
――「すべらない話」など、しゃべりのネタは日常的に意識していますか。
意識というか、もう二十数年、この世界にいるので、もう意識している感じはないですけど。ちょっと時間があったらどこか出かけてみたりということはやりますね。休みの日数によっては旅行とか、1日空いていたら映画を見に行くとか。リビングでソファに座っていても、なかなか面白いことは起きませんからね。まあ、出歩いたら何か起きるかというと、そういうもんでもないんですけど。
――「大喜利」に出始めたのは00年代初頭。今と比べ変わった部分は。
それはだいぶ変わったんじゃないですか。それこそツイッターとかで、一般の顔の見えない方の言葉を世間の人たちが目にすることができるということの、いいところと悪いところがあるんじゃないでしょうか。
――テレビも変わりましたか。
色んな規制もそうですし、ルールも変わっている。10年前と今は全然違いますもんね。
――受け入れられる笑いも違う?
もう全然違うんじゃないですか。一般の人が、それ言っちゃダメでしょう、みたいなこと言うじゃないですか。一般の人が色んなルールを知ってもうて。例えば、「(テレビ)局、違うのに、そんなこと言っていいの」とか。
――「大喜利」では、今田耕司さんと板尾創路さんと長く共演されています。刺激は。
もちろんありますね。勉強にもなりますし。この番組以前から、板尾さんも今田さんも15歳くらいからの付き合いですから。もう四半世紀以上です。
――自分より先の世代についてはどのように考えていますか。
先輩のことに関しては、あんまり考えることはないです。自分のことで精いっぱいですね。でも、近いところでいろいろ教えていただいたんで、今も勝手に勉強させてもらっている感じです。僕は一番最初に板尾さんに色んなこと教えていただいた。僕が思っているのは、板尾さんに「芸人」ということを教えていただいて、松本(人志)さんに「笑い」ということを教えていただいて、今田さんに「テレビ」を教えていただいたような感じがありますね、何となく。