九州大学(福岡市)は21日、新学部「共創学部」を2018年4月に設置する構想を発表した。九大の学部新設は1967年の歯学部以来51年ぶりで、12番目の学部となる。人文・社会・自然科学といった学問分野を横断する「文理融合教育」を掲げ、定員は1学年105人。17年3月までに文部科学省に申請し、同年8月の認可をめざす。
九大によると、既存学部の定員を5%ずつ削減するため、入学定員総数は約2600人で変わらない。「共創」を「複雑化するグローバル社会の課題について、多様な人々と共に構想し、新たな物事を創造する」などと位置づけ、「文系マインドと理系マインドを兼ね備えた人材の育成」をめざすとしている。一般入試のほか、推薦やAOなどの特別入試を検討しているが、詳細は17年3月以降に発表する。
九大は01年から学部に所属せず学生自身がテーマを決めて学ぶ「21世紀プログラム」を導入しており、カリキュラムはその実績を踏まえる。また、討議やプレゼンテーション、フィールドワークなどグループでの学習に力を入れ、習熟度に応じた英語教育や海外留学の義務化など国際理解やコミュニケーション能力も重視するという。
国立大学の学部再編は、文科省が昨年6月、教員養成や人文社会科学系の学部と大学院について、廃止や社会的要請の高い分野への転換を促す通知を出し、注目された。ただ、新学部などの検討は、その前から全国の国立大の多くが進めている。
九大は09年に文科省の「国際化拠点整備事業(グローバル30)」に選ばれたのを機に、「学部の壁を越えて分野横断的に英語で教育する新学部」を検討してきたという。(佐々木亮)