直方の神社に伝わる「世界最古」の隕石!?
福岡県直方市の神社に、「世界最古」と言われる「直方隕石(いんせき)」がある。平安時代に空から降ってきた「飛石(とびいし)」として伝えられている。どんな隕石なのか。
10月22日、小雨が降る須賀神社(直方市下境)。5年に1度開かれる神幸大祭で、隕石が公開される貴重な機会だ。透明なケースに入ったこぶし大の隕石が輿(こし)に載せられると、周囲はカメラを手にした人たちであふれかえった。
神社で語り継がれる伝承はこうだ。「861(貞観〈じょうがん〉3)年4月7日夜、一帯が真昼にも増した明るさになり、境内で激しい爆発音が起きた。翌日、深くえぐられた土の中から黒く焦げた石を掘り出し、天から飛来した石として桐箱(きりばこ)に納めて丁寧に保存した」
この隕石の存在が広く知られるようになったのは1979年。地元の郷土史家・舌間信夫さん(89)が27年発行の「旧下境村誌」の記述をもとに、「須賀神社の飛石」として市報で紹介した。それが国立科学博物館(東京)の知るところとなり、当時の理化学研究部長が宮司宅を訪れて調べた。
同博物館によると、石の特徴から隕石と確認。さらに隕石が入っていた桐箱のふたの裏に「貞観三年四月七日ニ納ム」とあった。桐箱の年代を「放射性炭素年代測定」で調べると、西暦410年±350年という結果に。この結果と伝承を踏まえ、「目撃記録を伴う世界最古の隕石」と確認されたという。神社は1992年、社殿を建て替えた際に「世界最古 直方隕石之碑」を建立した。
ただ、この「世界最古」には懐…