道路陥没事故の原因究明のため、地下鉄延伸現場の立て坑を視察する検討委員会の委員ら=29日午前9時8分、福岡市博多区博多駅前、河合真人撮影
福岡市のJR博多駅前で起きた陥没事故で、原因究明のため国が設置した「福岡市地下鉄七隈(ななくま)線延伸工事現場における道路陥没に関する検討委員会」(第三者委)の初会合が29日、同市で開かれた。トンネルや鉄道工事、地質などの専門家ら12人の委員が出席した。
特集:博多駅前陥没
初会合に先立ち、委員らは午前9時から、復旧した陥没現場や地下の延伸工事現場に機材などを下ろすための立て坑などを視察。26日未明に最大で約7センチ沈下した路面についても、施工業者の大成建設JV(共同企業体)の担当者らから話を聞いた。
会合の冒頭、委員長に選ばれた西村和夫・首都大学東京副学長は「今回の事故は地下インフラへの信頼を大きく揺るがす事態。類似の地下工事への再発防止策を全国に発信することも委員会の大きな使命だ」と述べた。市と大成JV側が延伸事業の概要や施工の経緯などについて説明した。
地下鉄七隈線の工事をめぐっては、今回以外に過去に2度の陥没事故が発生。第三者委は市が国土交通省に原因究明を要請し、同省所管の土木研究所(茨城県つくば市)に設置された。事故原因とともに、再発防止策もとりまとめる。(原篤司)