「マルコの世界 小田部羊一と『母をたずねて三千里』展」。手前はレーザーディスクのジャケット用イラスト=東京・九段下のイタリア文化会館
高畑勲さんが監督し、宮崎駿さんが映像作りの根幹を担った名作アニメ「母をたずねて三千里」の原画やイラストなど約100点を集めた展示会が、東京・九段下のイタリア文化会館で開催中だ。22日まで。
小原篤のアニマゲ丼
「マルコの世界 小田部羊一と『母をたずねて三千里』展」。アニメは今年、放送開始から40周年にあたる。原作はエドモンド・デ・アミーチスの児童文学「クオーレ」の1編で、主人公の少年マルコが、出稼ぎ先から音信が途絶えた母を捜して、イタリアからアルゼンチンへ長い旅をする物語。アニメはイタリアでも1982年に初めて放送されて以来、親しまれているという。
高畑勲さんが監督し、小田部さんがキャラクターデザインと作画監督を担当。宮崎駿さんが「場面設定・レイアウト」として構図や動きの指示などを担った。
展示の中心は小田部さんによるキャラクターの原案スケッチ。マルコやペットの猿アメデオのほか、旅の途中で出会う数多くの脇役たちの絵から、小田部さんがシンプルなデザインで豊かな個性を描き出していたことがわかる。レーザーディスクのジャケット用に描いたカラーイラストも見ごたえがある。
宮崎さんの描いたレイアウトや、ヒロインのフィオリーナの動きをアニメーターに指示したスケッチなども展示されている。
10日には小田部さんのトーク、17日には高畑さんのトークが同会館ホールである。展示、トークとも入場無料(トークは予約制)。問い合わせはイタリア文化会館(電話03・3264・6011)へ。(小原篤)