那覇市内に立つ憲法9条の碑=那覇市の与儀公園
公布から70年が過ぎた日本国憲法。沖縄県内には、戦争放棄をうたう憲法9条が刻まれた石碑が6カ所にあり、今も建立の動きがある。多数の犠牲者を出した沖縄戦と、27年間の米軍統治、本土復帰運動を経て手に入れた平和憲法への強い思いがにじむ。
特集:沖縄はいま
県内7カ所目となる9条の碑の建立を検討しているのは、沖縄本島北部の大宜味(おおぎみ)村。人口3千人余りの村だ。
昨年6月の村議会。一般質問で、国会で審議中だった安全保障関連法案を「9条の空文化の後に改憲を視野に入れたもの」と批判し「戦争放棄の理念を後世に伝えるためにも『9条の碑』建立が必要だと思うが、見解を」との質問が出た。
宮城功光(のりみつ)村長は「同感だ。法案で平和な日本になるとは思えない」と応じ、9条1項の全文を読み上げたうえで「建立を進めていく」と答弁した。
その後、各世帯にアンケートをした。反対の意見もあったことから、慎重に検討しているが、宮城村長は今年11月、取材に対し「9条は維持すべきだし、村の意思を訴える意味からも建立の必要性を感じている」と話した。建立に向けて委員会を立ち上げる考えだ。
建立を求める「大宜味村憲法九…