かつて人気を集めた玩具で昨年夏、生産を終えた「地球ゴマ」。職人だった鳥居賢司さん（５４）が新会社を設立し、新たなこま「地球ジャイロ」を作った。「良さは継承しつつ全く別の工芸品としてよみがえらせた」。自社のウェブサイトで１２月中に予約販売の受け付けを始める。

名古屋市千種区大島町２丁目の住宅街にある事務所で、鳥居さんが地球ジャイロを見せてくれた。外径が６２ミリで高さは７９ミリ。重さは９８グラムの金属製。糸で引っ張って回すと、傾いたままでも５、６分間、高速で回転を続ける。

鳥居さんは地球ゴマを生産していたタイガー商会（名古屋市千種区）にいた３人の職人のうちの１人。

地球ゴマは１９２１（大正１０）年に生産され始めた。６０～７０年代には子どもたちの間で大ヒットし、年２０万～３０万個を出荷したことがあった。やがて落ち込み、後継者不足などを理由に昨年７月末に生産を終了し、工場は閉鎖された。

鳥居さんは解雇されたが、「こ…