安倍晋三首相
7日の党首討論では、共産党の志位和夫委員長が南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)で、陸上自衛隊の派遣部隊に安全保障関連法に基づく新任務「駆けつけ警護」が付与された問題を問うた。「自衛隊が南スーダン政府軍に対し、武器を使用することになるのではないか」とただすと、首相は「大統領も副大統領も政府も反対派も含めて自衛隊を歓迎している」と反論した。
「答えない力、逃げる力、神ってる」 党首討論で蓮舫氏
志位氏 安倍政権は安保法制に基づき、国連南スーダン派遣団(UNMISS)に派遣されている自衛隊に駆けつけ警護などの新任務を付与し、この任務を遂行するための武器使用の権限を与えた。駆けつけ警護にともなう武器使用は、国または国に準じる組織に対して行った場合には、憲法9条の禁止する武力の行使に当たる恐れがあるというのが、政府の憲法解釈である。
そこで伺います。南スーダンでは、2013年12月以来、大統領派と副大統領派の間で激しい戦闘が繰り返されている。今年7月には、首都ジュバで両者の大規模な戦闘が起こり、民間人数百人が死亡し、情勢の悪化が一段と深刻になっている。ここで重大なことは、南スーダン政府軍によってUNMISS、国連施設、国連職員、NGO職員などに対する攻撃が繰り返されているということです。
7月の首都ジュバでの大規模戦闘の際には、南スーダン政府軍が国連職員やNGO職員が宿泊するホテルを襲撃するという事件が起こった。国連報告書によると、80~100人の政府軍兵士がホテルに乱入し、殺人、暴行、略奪、レイプなどを行った。南スーダンでは、政府軍による国連への攻撃という事態が続発している。
総理に伺います。こうした事態のもとで、駆けつけ警護を行ったらどうなるか。自衛隊が南スーダン政府軍に対して、武器を使用することになる。憲法が禁止した海外での武力行使になる。こうした現実の危険性があるのではないか。総理にはそうした危険性の認識はあるのか端的にお答え下さい。
首相 南スーダンは、世界でも誕生したばかりの最も若い国といってもいいと思う。確かに、混乱のなかから成功した国家としてその道を歩むために、いま世界各国がUNMISSにおいて協力を行っているわけでございます。日本も含め60カ国がこのUNMISSに参加している。いまだに確かに治安はよくはない。危険な状況もあるでしょう。しかし、いまだに1カ国もこの治安を理由として撤退した国はないというのは事実でございます。そこで、我が国はそのなかで、日本としても責任ある役割を果たして行くために、自衛隊の施設部隊を現地に派遣しているところだ。そして、このたび我々は新しい任務を付与したわけだ。いわゆる駆けつけ警護、そして駐屯地の共同防護を可能とする任務でございます。
今までも、例えばかつてコンゴ…