労組日本プロ野球選手会(嶋基宏会長=楽天)は8日、大阪市内で定期大会を開き、試合出場機会の少ない選手を対象とした移籍制度の導入を、日本野球機構(NPB)に求めていくことを決めた。移籍の活性化で、選手の活躍の場を広げるのが目的。2軍でくすぶっていた選手が他球団への移籍をきっかけに活躍したケースは多くあり、制度として採り入れるべきだとの意見でまとまった。出場機会の少ない選手を他球団が指名できる制度を想定し、具体的な仕組みはこれから検討する。
選手会が参考にしているのは大リーグの「ルール5ドラフト」で、韓国でも同様の制度がある。米国と韓国では仕組みが違うが、いずれも出場枠などから漏れた有望選手を他球団が指名して獲得できる制度。一部球団による選手の囲い込みを防ぎ、戦力均衡を図る目的もある。
日本のプロ野球でも、アマチュア選手対象のドラフト会議とは別に、リーグ内の選手を対象とした「選抜会議」が1970~72年に開催された。野球協約にも条項は残っているが、当時は実効性がほとんどなかったという。選手会は実効性のある制度の導入を求めていく方針で、嶋会長は「若手選手には切実な問題。早急に取り組んでいく」と語った。