ローマで14日、上院での信任投票に先立ち、新内閣に抗議する野党「五つ星運動」の上院議員ら=ロイター
イタリアのジェンティローニ新内閣は14日午後、前日の下院に続き上院でも賛成多数で信任された。新興政党「五つ星運動」など野党は、新内閣は国民投票での敗北で退陣したレンツィ前内閣と顔ぶれがほぼ同じで正当性がないとして、早期の総選挙を求めている。
ジェンティローニ首相は13日の所信表明演説で、責任ある内閣として、「イタリアの課題や国民の問題にすべての力を注ぐ」と表明。グローバル化の影響にさらされた中間層や失業率の高い南部への対策、伊中部地震の被災地の復興などに優先して取り組む考えを示した。国民投票では、南部での「反対」の割合が高かったことから、新内閣は危機感を強めている模様だ。
野党のみならずレンツィ前首相率いる与党民主党からも、人気がさらに下降する前に来年前半にも総選挙に踏み切るべきだとの声が上がっている。国民投票後の12日に発表された地元テレビの世論調査では、民主党の政党支持率は31・1%、五つ星は29・2%と差はわずか。11日付の伊紙の世論調査では五つ星がわずかに上回り、政権交代の可能性が現実味を帯びてきている。(ローマ=山尾有紀恵)