自民党が27年ぶりに衆参両院で単独過半数を握った臨時国会が17日、閉会する。3カ月足らずの会期中、自民が主導して環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案、年金制度改革法案、カジノ解禁法案で採決強行が「3連発」された。現場を取材した記者が、今国会を振り返る。
――これほど強引な国会運営がテーマになった国会はなかったと思う。
南 国会が開会した9月26日、安倍晋三首相の演説時に自民議員たちが立って拍手する「スタンディングオベーション」を始めた。驚いた。大島理森衆院議長からも注意を受けたこの行為は、自民が国会で首相官邸の下請け機関のように法案を押し通していく状況を象徴する光景だった。
田嶋 自民の国会対策委員会の幹部は「こっちには300人以上いる」と言った。自民は参院でも単独過半数を占め、公明の力を借りなくても法案を成立させられるようになった。
松井 自民には数のおごりがあったと思う。国会審議で議論の前提となる資料開示を野党が求めても、政府・与党は応じないケースがあった。