二回表日本ハム無死、清宮(左)はプロ初本塁打を放ちベンチで祝福される=2018年5月9日、京セラドーム大阪、筋野健太撮影
(9日、日本ハム8―2オリックス)
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日ハム清宮、プロ初本塁打 7戦連続安打で原辰徳上回る
880グラム、33・5インチのバットが乾いた衝撃音を残した。スタンドがどよめくなか、日本ハムのルーキー清宮幸太郎(東京・早稲田実高)は、ちらりと打球を見て確信する。「打った瞬間という感じだった」。右翼席へ飛び込むプロ初の本塁打。かみしめるようにゆっくりとベースを1周した。
狙っていた。先頭打者で迎えた二回の第1打席。オリックスの先発・ディクソンの初球だ。外角から入ってくる131キロのスライダーを一振りで仕留めた。「しっかり準備できていたから、思いきっていけた」
2日にデビューしたばかり。まだ出場7試合目なのに、相手バッテリーとの駆け引きを楽しんでさえいる。「どういう攻め方をされて僕がどうなったか。じゃあ、次はこう来るんじゃないかなあとかいろいろ考えて。えへへ」。この一発には布石があった。前日の四回の打席。結果は投ゴロに倒れたが、2球目に内角速球を引っ張り、右翼ポール際に大ファウルを打っていた。ここから相手の配球は外角中心に。本塁打の一振りも迷いなく踏み込めたから、打球がグンと伸びた。
「これまで、いろいろと打席を重ねてきて打てたホームランなので、まぐれではないかな」と言ってのけた。この一打でデビュー戦からの連続試合安打は7に伸び、1981年の原辰徳(巨人)らがマークした6試合連続を上回った。
高校通算111本塁打の「怪物」は言った。「いつか、なつかしいなと思える1本になればいい」。18歳。恐るべし。(山口裕起)
《ソフトバンクの王球団会長》 高校の後輩にあたる清宮のプロ初本塁打について、「見事な本塁打。力がないと打てないから。それと何か持っているね。今後のプロ野球界で期待が持てる活躍。これからどんどん打つんじゃないかな」。