スポーツ庁は15日、小学5年と中学2年を対象にした2016年度の「全国体力調査」の結果を公表した。各種目の成績を点数化して合計した「体力合計点」で、女子は小5、中2ともに2年連続で、調査を始めた08年度以降の過去最高を更新した。小5男子は過去最低だった昨年度をわずかに上回った。
調査は4~7月に全国の小5と中2ほぼ全員の約208万人を対象に実施した。種目は握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール(中学はハンドボール)投げ、20メートルシャトルラン(中学は持久走でも可)。
女子の体力合計点は小5が55・54点(昨年度55・19点)、中2が49・41点(同48・96点)でいずれも過去最高だった。種目別では小5で上体起こし、反復横跳び、20メートルシャトルラン、50メートル走の4種目、中2はこれに持久走と立ち幅跳びを加えた6種目で過去最高。昨年度は小5、中2ともに過去最低だったボール投げもそれぞれ上昇した。スポーツ庁は女子の運動離れ解消に取り組んでおり、鈴木大地長官は「(女子の結果は)一定の成果は見られるが、大喜びというわけにはいかない。さらに最高点を更新したい」と話した。
男子の体力合計点は小5が53・93点(同53・81点)で過去最低だった昨年度を上回り、中2が42・00点(同41・80点)で、過去最高の12年度に次ぐ高得点だった。小5は上体起こし、反復横跳び、20メートルシャトルランの3種目で過去最高を記録したが、年々低下傾向のボール投げは今年度も小5、中2ともに過去最低を更新した。(伊木緑)