年の瀬が近づいてきたこの週末は、おせち料理の予約をする人がピークを迎えそうだ。かまぼこや黒豆の食品メーカーは、若い世代向けにイベントを開き、新たな商品も投入して売り上げを伸ばそうとしている。

練り物大手の紀文食品（東京）は１４日、「はじめてのおせち」と題したイベントを大阪市内で開いた。新婚や結婚の予定がある２０～３０代の男女１６人が参加した。おせちの歴史の説明を受けたり、かまぼこの飾り切りやお重詰めを体験したりした。参加した京都市の小寺千春さん（３２）は「今回は初めて自分で用意するつもりです。伝統文化として知っておきたい」と話した。今月はほかに、東京と名古屋でも同様の催しを開いている。

紀文がこうしたイベントを実施するのは、「おせちを用意した」という世帯が減る傾向にあるためだ。同社の今年の調査では、２０～３０代の結婚している層では３８・５％にとどまる。手作り派はさらに少なそうだ。紀文で正月関連の商品を担当する山本真砂美さんは「危機感はある。おせちを用意したいという潜在的なニーズはあるのできっかけ作りになればいい」という。

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