放牧で育てられた「旨赤ビーフ」を使った料理=11月4日、島根県大田市
欧米で盛んな「放牧」が、日本でも注目を集めている。和牛は牛舎で輸入穀物を多く与え、肉を霜降りに仕上げる飼い方が国内では「常識」だが、生えている草を食べることで飼料代を抑えられ、耕作放棄地の再生にも役立つ。赤身の多い肉も、健康志向を追い風に需要が高まっている。
ローストビーフにハンバーグ、ソテーに煮込み料理。11月初旬、島根県大田市のレストランに赤身の牛肉を使った料理が並んだ。
放牧に取り組む研究者らでつくる「日本産肉研究会」の学術集会に出された昼食の特別メニュー。子牛から1年半ほど放牧され、草を食べて育った黒毛和牛の肉で、農研機構西日本農業研究センターと同県を中心に育成する「旨赤(うまあか)ビーフ」だ。
北海道や関西、九州などから集…