相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で7月、46人が殺傷された事件で、神奈川県警は19日、入所者19人に対する殺人容疑で送検された元職員の植松聖(さとし)容疑者(26)=鑑定留置中=を、入所者24人に重軽傷を負わせたとする殺人未遂の疑いで追送検し、発表した。「殺すつもりでやった」と容疑を認めているという。
県警は負傷者のうち、諸橋孝治さん(43)と尾野一矢さん(43)の2人の名前を家族の了解が得られたとして公表した。
県警によると、植松容疑者は7月26日午前2時半ごろ、園内に侵入し、24人を刃物で刺し、殺害しようとした疑いがある。他に職員3人がけがをしており、県警はこの3人を含む職員5人への逮捕監禁などの容疑でも来年1月に追送検する方針。横浜地検は、精神鑑定の結果を待って、起訴するかどうか判断する見通し。
この事件で県警は、これまで死亡者や負傷者の実名を発表していなかった。「知的障害者施設で起きた事件で、プライバシー保護の必要性が高い」などと説明してきた。(飯塚直人)