女子78キロ超級準決勝に臨んだ山部佳苗(左)=角野貴之撮影
全日本柔道連盟が19日に発表した国際大会グランドスラム(GS)パリ(来年2月11~12日)への派遣選手に、リオデジャネイロ五輪の柔道女子78キロ超級で銅メダルを獲得した山部佳苗(ミキハウス)が選ばれた。若手の突き上げが厳しい階級だが、26歳は「まだまだ強くなれる」と手応えをつかんでいる。
開始8秒で決めた鮮やかな払い腰が、勝負の世界への意欲を取り戻した。4日にあったGS東京の初戦。中国選手に最初に仕掛けた払い腰で一本勝ち。「あんなにすぐ決まるとは」と自分でも驚いた。得意技だが、リオ五輪では「外国の選手にまったく通用しなかった」。悔いの残る戦いに自信を失っていたが、この試合で「まだ通用する、まだまだやれると思わせてくれた」と声を弾ませた。
リオ五輪後は休養し、本格的な練習は11月初旬に再開したばかり。準決勝で一本負けした相手は、10月の全日本学生体重別選手権、11月の講道館杯を制して勢いに乗る朝比奈沙羅(東海大2年)。指導の差での優勢勝ちが狙える展開だったが、「技の力で戦う」とさらにポイントを奪うことを選択。しかし、支え釣り込み足を返され、寝技で敗れた。結果、3位だった。
大会前は、戦う気持ちが戻るか…