政府の実質成長率見通し、この10年は「2勝8敗」
毎年この時期に発表される政府の経済見通し。実は、当初見通しより実績が上回った「勝敗表」でみてみると、この10年では2勝8敗だった。よく甘い見通しだと指摘されるが、霞が関の官僚は「役割が違う」と説明する。
20日に政府が発表した経済見通し。2017年度の国内総生産(GDP)の成長率は、物価変動の影響を除いた実質で1・5%。経済対策で「好循環が進展する」という。だが、民間予測の平均は1・1%ほど。楽観的すぎるとの指摘もある。
経済見通しは、税収の見通しを立てる前提になり、来年度予算編成などにも影響を与える。
個人消費は16年度の0・7%増から0・8%増に、設備投資は2・1%増から3・4%増に、それぞれ改善を見込む。また消費者物価指数(総合)も、16年度の0・0という横ばいから1・1%増になるとし、物価の影響も入る名目成長率は2・5%と予測。今夏に打ち出した総額28兆円の経済対策で「民需を中心とした景気回復が見込まれる」としている。
だが、同日発表した16年度の実質成長率見通しは1・3%で、1年前の1・7%から下方修正した。
ここ10年を振り返ると、実際の成長率が見通しより良かったのは、わずかに2回だけ。第2次安倍政権が発足した12年度以降では、13年度だけだ。
日本経済研究センターによると…