内閣府が10月下旬~11月初旬に実施した世論調査で、国連平和維持活動(PKO)に「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた人が前回(1月実施)から8ポイント余り減って2割弱にとどまった。南スーダンPKOをめぐる新任務「駆けつけ警護」の報道が相次いだ時期で、外務省は治安悪化が指摘される南スーダン情勢が影響した可能性もあると見ている。
調査は10月27日~11月6日に実施し、12月24日に公表。調査期間中、南スーダンPKOに派遣する自衛隊への駆けつけ警護付与の是非などについて、メディアが次々と報じた。安倍内閣は調査直後の11月15日、閣議で新任務付与を決めた。
調査では、PKO参加について「これまで程度の参加を続けるべきだ」が20歳以上の53・7%(前回比0・7ポイント増)。一方で「これまで以上に積極的に参加すべきだ」は19・7%で、前回比8・3ポイント減だった。
また、「出来るだけ少なくすべきだ」(19・3%、前回比6・6ポイント増)、「参加すべきではない」(2・8%、同1・0ポイント増)もともに増加。外務省は「断定できないが、南スーダンの情勢悪化などが影響している可能性もある」と説明する。
調査後の12月に山口県で首脳会談が行われたロシアとの関係については、「良好だと思う」と答えた人が27・8%で、前回より6・0ポイント増加。逆に「良好だと思わない」は65・2%で、5・8ポイント減った。北朝鮮への関心事を複数回答で尋ねたところ、81・3%が「日本人拉致問題」、72・1%が「核問題」、71・5%が「ミサイル問題」を挙げた。
調査は、日本国籍を持つ全国の18歳以上の男女3千人を対象に面接方式で実施し、1804人(60・1%)から回答を得た。前回調査まで20歳以上が対象だったが、今回から選挙権年齢の引き下げにあわせた。(大久保貴裕)