明治元年から満150年の2018年にあわせた記念施策を検討する政府の関係府省庁連絡会議は26日、関連施策の「基本的な考え方」をまとめた。「明治以降の歩みを次世代に遺(のこ)す」「明治の精神に学び、更に飛躍する国へ」の二つの方針に沿って取り組む。来年夏の18年度予算の概算要求までに各府省庁が具体策をまとめる。
「歩みを次世代に遺す」では、議会制度や義務教育の導入、鉄道開業や郵便制度の施行など、近代化を表す当時の文書や写真などを集めて展示する。古い資料のデジタル化も進める。若者に日本のあり方を考えてもらう契機にするという。
「明治の精神を学ぶ」では、能力本位の人材登用が進んだことに着目。各地で活躍した若者や女性、外国人の存在を掘り起こす。「機会の平等」「チャレンジ精神」「和魂洋才」などを知ることにつなげるねらいだ。建築物の公開などを通じ、当時の技術や文化に触れる機会も増やす。「日本の強みを再認識し、日本のさらなる発展をめざす基礎とする」としている。
とりまとめ役の野上浩太郎官房副長官は「地方公共団体や民間も含めて、日本各地で多様な取り組みが広く推進されるよう機運を高めていきたい」と述べた。(石松恒)