菅義偉官房長官との会談を終え、報道陣の取材に応じる翁長雄志沖縄県知事=27日午前10時22分、首相官邸、関田航撮影
菅義偉官房長官は27日午前、首相官邸を訪ねた沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事と会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた埋め立て工事を同日にも再開する方針を伝えた。
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翁長氏は会談後、工事再開にあたって事前協議を申し入れたが政府が応じなかったことを記者団に明かし、「協議らしい協議がなかった。沖縄の立場も理解してほしい」と批判した。
翁長氏は会談で、移設計画について「(政府と)沖縄県との信頼関係からいっても、話し合いを継続していただきたい」と要請。菅氏は「話し合いは必要」としつつ「政府の方針は変わらない」と述べ、埋め立て承認取り消しを撤回する文書が沖縄防衛局に届いたら速やかに工事を再開する考えを示したという。
一方、菅氏は会談直後の記者会見で、翁長氏が会談で「(移設阻止のため)強硬にならざるを得ない」と発言し、菅氏は「我が国は法治国家だから、最高裁の判決に従って移設工事は進める」と応じたと説明した。