フランス東部ブザンソンに留学中の筑波大生、黒崎愛海(くろさきなるみ)さん(21)が行方不明になっている事件で、フランスの捜査当局が20歳代のチリ人の男を監禁などの容疑で国際指名手配していると、仏メディアが報じた。
監視カメラの映像の分析結果などによると、黒崎さんは4日夜、ブザンソン郊外のレストランでこの男と食事をした後、黒崎さんの寮に一緒に向かい、その後、足取りが途絶えた。この男は寮から一人で立ち去り、7日までにスイス西部ジュネーブやスペインの首都マドリードを経由して、欧州を出た後、母国のチリに戻ったという。
この男は、日本への渡航歴が2、3回あり、その時に黒崎さんと知り合った可能性もある。男は黒崎さんが行方不明になる数週間前にブザンソンに入って、ホテルなどを転々としていた。黒崎さんが行方不明になった後は、インターネット上の履歴などを削除したという。
黒崎さんが最後に目撃された4日の深夜、黒崎さんの部屋付近では、大きな物音や女性が叫ぶような声が聞こえたとの証言もあり、捜査当局は、黒崎さんが事件に巻き込まれたとみて調べている。(ブリュッセル=吉田美智子)