市民運転手を務める坂田基司さん(66)は元トラック運転手。利用者を車に乗せるとサービスの事務局に電話をかける。車の端末には、ウーバーの地図が映る=2016年12月、京都府京丹後市
日本海をのぞむ人口約5千人強の京都府京丹後市の旧丹後町。タクシー会社は撤退し、マイカー以外の移動手段は限られている。この地で2016年春に始まった「ささえ合い交通」は、マイカーに人を乗せて運ぶライドシェア(相乗り)。世界でライドシェアを展開する米ウーバー・テクノロジーズのシステムを利用する。
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東美好さん(85)は、タブレット端末でサービスを利用する一人。ウーバーのアプリを開き、行き先を入力すると、地図上に、東さんの自宅近くが青い丸で表示され、依頼をすれば、近くで今、運転できる運転手の名前も表示され、マイカーで迎えに来てくれる。
運転手はプロではなく、一般の市民。地元のNPO「気張る!ふるさと丹後町」のメンバーら18人だ。平均年齢は62歳。料金は最初の1・5キロが480円で、以降1キロあたり120円。運転手にガソリン代など、NPOに運営費、ウーバーにシステムの利用料がそれぞれ支払われる。
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